歯科検診

定期的に歯科検診を受診することで、歯や歯ぐきの状態の変化に早期に気付くことができます。
「歯医者は痛くなってから行くところ」と思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、早いうちにお口のトラブルを発見することで重症化を防ぐことができ、長期的に自分の歯を残すことにもつながります。

虫歯や歯周病は、日本人が歯を失う二大原因です。
虫歯や歯周病などで歯を失ってしまうと、入れ歯やインプラントなどの人工の歯で失われた歯の機能を補わなくてはなりません。
そうなってから治療すると、治療費や通院にかかる時間も多くなるため、症状がひどくなる前に「予防」をすることが大切です。

また、定期的に歯科検診に通っていれば、清潔でキレイな状態のお口を維持することができますので、見た目の印象も良くなるといったメリットがあります。

小さいときから歯科検診に通うことのメリットは、お口のトラブルを早いうちに発見し治療できることです。
お子さんの成長はとても早いので、歯並びや噛み合わせに異常がないかチェックしてもらいましょう。
もし定期検診で虫歯が見つかったとしても、早期に治療ができれば、お子さんの負担も少なくてすみます。

歯医者が嫌いな方が多い理由の一つに、子どもの頃に受けた嫌なイメージがトラウマとなっている場合が多いようです。
歯医者が嫌いになると歯科医院に行きたくなくなり、症状が悪化して歯を失うリスクを高めてしまいます。
お子さんと定期的に歯科検診に通うことで虫歯を予防し、歯科クリニックは安心して行ける場所と伝えてあげましょう。

妊娠中はホルモンバランスや体調の変化により、お口の中の環境が変わります。
特に、妊娠中は、プロゲステロンやエストロゲンといった女性ホルモンが増えます。
結果、歯周病の原因となる細菌の動きが活発になり、歯ぐきが腫れたり出血しやすくなったりします。

また、つわりの影響や、唾液の分泌量が低下することでお口の中が乾燥し、妊娠中に虫歯や歯周病が進んでしまう方もいらっしゃいます。
妊娠中でも歯科検診を受診することは大切です。

生まれたばかりの赤ちゃんのお口には、虫歯の原因となる細菌がいません。
食事や愛情のキスなど、家族からの唾液を介して感染するので、生まれてくる赤ちゃんのためにも、お口の中から健康を守りましょう。
妊娠中の歯科検診は、妊婦さんの負担やリスクを軽減するために、安定期に入ってから検診を受けることをおすすめします。

歯科検診では、虫歯・歯周病・粘膜の異常・顎の成長・骨の異常がないかどうかチェックしています。

●虫歯・歯周病

虫歯や歯周病は、日本人が歯を失う二大原因となります。
虫歯や歯周病は初期の段階では、ほとんど自覚症状がないので、症状がひどくなる前に見つけることが大切です。

●粘膜の異常

粘膜とは、舌や歯肉、唇、お口の内側の頬など、やわらかい組織を指します。
口は食事を食べるだけでなく、飲み込みや発声など、さまざまな働きがある器官です。
歯だけでなく、粘膜や舌の異常も早期に発見することが大切になります。
歯肉ガンや舌ガンの早期発見にもつながります。

●顎の成長・骨の異常

特にお子さんは身体の成長がとても早く、お口の中の状態のも日々変化していきます。
身体の成長とともにお口の中も成長するため、歯並びや骨に異常がないかどうかチェックします。

●歯垢

歯垢とはプラークとも呼ばれており、細菌の塊です。
白っぽくネバネバ・ベトベトとしており、むし歯や歯周病、口臭などの原因となります。
歯垢は歯ブラシだけでも取り除くことができますが、歯磨きが上手な方でも細かい部分の汚れまでは除去することができません。
そのため、定期的に歯科医院でクリーニングをしてもらうことが大切です。

●歯石

歯石は、唾液の作用によって歯垢が石のように硬くなったものを指します。
歯垢のようにやわらかくはないので、歯ブラシだけでは取り除くことができません。
歯科クリニックで専用の機器を使って、クリーニングをしてもらう必要があります。

歯石が歯に付着していると、歯周病が進む原因となります。
また、表面がザラザラとしているため、歯垢や着色汚れがつきやすくなるため、お口の中を清潔に保つことが大切です。

虫歯や歯周病、口臭などの原因となる歯垢（プラーク）は、歯磨きでコントロールすることができます。
これを「プラークコントロール」といい、歯垢を取り除き、再付着を予防することを意味しています。
歯並びは人それぞれ異なるため、一人ひとりが正しい歯の磨き方を知っておくことが大切です。

ブラッシング指導では、磨き残しや普段の歯磨きの仕方をチェックしています。
歯の磨き方にも癖がありますので、患者さんのお口に合ったブラッシング方法をお伝えさせていただきます。

歯科検診では虫歯があるかどうかだけでなく、噛み合わせの状態もチェックしています。
噛み合わせに問題がある状態を「不正咬合（ふせいこうごう）」といい、出っ歯や受け口、すきっ歯などの状態を指します。

不正咬合の場合、見た目だけでなく「食べものを噛む機能」や「正しく発音」する機能にも、悪影響を与えることがあります。
歯並びや噛み合わせが悪いと、口腔内の健康が悪くなり、見た目のコンプレックにもつながる場合があります。
早い段階で見つけて、症状の悪化を防ぐことが大切です。

保険診療とは「健康保険が適用される治療」で、自由診療は「健康保険が適用されない治療」です。
自由診療の場合、治療費が全額自己負担になります。

現在の保険制度での歯科検診は、病気や症状があれば治療にかかる費用は保険が適用されます。
しかし、とくに異常がなく、審美や予防が目的の場合は自費診療になります。
3割負担の保険が適用された場合、歯科検診にかかる費用は大体3,000～5,000円ほどですみますが、自由診療の場合10,000円ほどかかります。